歴史をつないで、
一歩、未来へ。

1992年のある日、当時在職していた聖路加看護大学(現 聖路加国際大学)に札幌医科大学保健医療学部開設準備室の佐野彰義室長、佐保末男主査が来学され、日野原重明学長とともに札幌医科大学衛生短期大学部改組転換の構想を伺いました。その後、菊地浩吉札幌医科大学学長が来学され、新学部にお招きいただきました。
学部開設後は、札幌医科大学衛生短期大学部から来られた教員、新規参入の教職員の方々によって新学部での教育が開始となりました。また、米国やカナダから赴任する教授の方々を現地に訪問し、来札の準備を整えました。さらに、国際協力事業団（JICA）の私が担当していたエジプト・カイロ大学小児病院プロジェクト、エジプト第３国研修等には学部内から丸山知子看護学科長、図書館の尾崎恵子氏、附属病院看護部の若山登美子副部長をはじめ、多くの部門からご協力をいただきました。
開設の準備段階から多くの皆様にご協力を頂いた保健医療学部が、30周年を迎えられたことは、大変嬉しく思います。
学部開設30周年記念を機に学部の更なる飛躍と皆様の益々のご活躍を祈念して、お祝いの言葉とさせていただきます。

佐藤剛先生は昭和58年の衛生短期大学開設時より本学教授として赴任され、平成9年4月より第二代保健医療学部長に就任されていました。保健医療学研究科の開設にむけては強いリーダーシップで準備をすすめられ、世界作業療法士連盟第１副会長の実績を背景に、外国人教授を招聘するなど国際化にもご尽力され、平成10年4月の研究科の開設と併せて初代研究科長に就任されています。
札幌医科大学保健医療学部30年の歩みを振り返り、学部・大学院の発展にご貢献いただきましたことに深く感謝致しますとともに、謹んで哀悼の意を表します。

札幌医科大学保健医療学部　教職員一同

経歴
昭和41年 3月　東京教育大学体育学部健康教育学科卒業
昭和44年12月　カリフォルニア州立サンホゼ大学作業療法学科卒業
昭和45年 1月　米国作業療法士資格取得（第205401号）
昭和46年 4月　作業療法士免許証取得（第外3号）
昭和55年 6月　カリフォルニア州立ロングビーチ大学大学院特殊教育学科修了
昭和56年 4月　北海道衛生部衛生大学設立準備室勤務
昭和57年 5月　南カリフォルニア大学大学院作業療法学科修了
昭和58年 4月　札幌医科大学衛生短期大学部作業療法学科教授
平成 5年 4月　札幌医科大学保健医療学部臨床作業療法学講座教授兼学科長
平成 6年 8月　医学博士（札幌医科大学）
平成 9年 4月　札幌医科大学保健医療学部長
平成10年 4月　札幌医科大学大学院保健医療学研究科長
平成14年12月　ご逝去

主な社会活動
世界作業療法士連盟第１副会長
日本作業療法士協会副会長
日本感覚統合障害研究会長　　他多数

受賞歴
昭和56年11月　米国Phi Kappa Phi賞受賞
平成 7年10年　厚生大臣表彰
平成 8年 6年　日本作業療法士協会協会表彰

30周年おめでとうございます。教職員の皆様の日々のご努力に感謝しております。近年、保健医療への社会的期待は益々大きくなっています。現在、私はお世話になる立場ですが、教職員の皆様方には次世代が目指す保健医療職の羅針盤となってご活躍されますよう期待しています。また、３学科の専門性を研くと共に、専門性を越え連携力を養える教育環境として更なるご発展と、教職員の皆様の益々のご活躍を願っております。

私が在職中に行われた札幌医科大学衛生短期大学部創基30周年、保健医療学部開設20周年の記念行事から10年経ったかと驚かされます。振り返れば、1973年に設置された「衛生大学設立準備委員会」が作成した答申書によると、「医療技術者の数的確保と、将来指導的な役割を果たし得るパイオニアを養成し、人格形成に注力し専門分野の学問的体系を創造し、道の医療、公衆衛生及び社会福祉に貢献する」ことを設置目的に掲げています。
卒業生の多くが道内の保健医療福祉の現場で活躍し、大学院研究科における数多の研究業績による専門領域への貢献は、大学の設置目的に適っていると考えられます。開設30周年は一里塚であり、今後も北海道の保健医療分野を牽引する優秀な人材の輩出と活発な研究活動を通して、益々社会に寄与されることを期待しています。

開設30周年の記念すべき年を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。
私が学部長であった2015年から2022年にかけては、胆振東部地震やCOVID-19の感染拡大に加えて、様々なアクシデントが多発した7年間でした。挫けそうな日々を何とか乗り越えて来られましたのは、卒業生・教職員の皆さまが有形・無形に支えてくれたことによっています。学科を越えてひとつにまとまる連帯と、連携・協働が保健医療学部の最大の特徴であり、何ものにも代え難い強みであることを実感する年月でした。
看護学・理学療法学・作業療法学はこの先の社会で益々必要とされる分野です。30年の節目を境に更なる研鑽の日々を重ね、一層の飛躍を遂げられることを期待しております。